わたしは昔から「コスモス」の花が好きだった。ひとつひとつ手に取ってもそれほど美しいと思わないが、何千本も何万本も一面に咲くのが良い。今回は3年ぶりに一家で越知町の花の名所を訪れた。お天気は悪い方向に向かっていたが、花を観賞するあいだは美しい秋晴れに恵まれた。

 10月は彗星発見の秋だった。1950年代には、自宅前の製紙工場のあった、廃屋の場所で
観測していたが、ある時、観測台のほとりに咲いた一輪のコスモスの花をオーバーコートの胸のポケットにさして観測台に上がった。運よく「クロムメリン彗星」の発見となった。
 その後観測の場所が変わったが、コスモスの花の咲くころになったら、彗星発見のあの感激を思い出す。秋10月が、最も多くの彗星を発見した月だった。

 今年は10月30日に高知市の「自由民権会館」で、彗星の発見に関する講演会を行うので、
今その準備を進めている。


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