りゅうこつ座の老人星「カノープス」が、今見ごろを迎えています。南に山が無く、海が見えるような見晴らしの良い場所でしたら、夕方、案外簡単に眺めることが出来ます。私の住んでいる高知市上町は、南に標高300mの鷲尾山があって、永いこと見たことが無かったのですが、1965年10月、高知県の須崎市に聳える「バンダの森」の頂上から、はるか南の海の上に、煌々と輝くカノ−プスを初めて発見し感動しました。
 それは南天の空に輝く全天第一の、大犬座のシリウスかと思うばかりの、碧い凄い輝きでした。
 
 その後、1986年にハレー彗星を追ってバリ島に行った時には、折よく全天第一のシリウスと第二のカノープスを、天頂の近くで並んで同時に眺める事が出来て壮観でした。どちらも青い同じような輝きの巨星でした。
 
 写真は最近芸西村の天文台で私が撮影したカノープスです。手前に室戸に通ずる国道55号線の明かりが見え、その少し向こうに、水平線を行く漁船の赤い火が細長く見えています。カノープスは、更にその上の画面のほぼ中央に、明るい星として輝いています。
 中国では「一度見ると長生きをする」と言われているこの珍しい星を、是非観察して下さい。芸西村の天文台では、この星を見る観測会がまだしばらく続いています。

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