少し遅かった高知市の桜の満開ですが、ここ芸西村の天文台でも、見事な満開の時季を迎えました。私の観測所ができた1970年頃、植えられた桜ですが、白亜のドームが桜の花に埋もれるように輝いている光景は見事です。はるか南には、太平洋の青い海が輝いています。そして夜になると、先回紹介したような「対日照」の神秘的な光芒が降りかかります。天体観測は、やはり都会の光から離れなくては出来ません。永い間、高知市の人口30万の都会の中で観測してきた私には、芸西の星空は驚異でした。初期には車が無くて35キロの道のりを、自転車で通ったことも今では懐かしい思い出です。桃源郷に通う気分で。

 自転車で通うと言えば、天文台の南の琴が浜(伝説の海岸)から、高知市の私の音楽教室まで自転車で通っていた女性がいました。演奏会では、私とギターでの2重奏をやりました。その後、彼女は去りましたが、天文台に来た時、ふと昔を思い出してギターを弾くことがあります。曲はバッハ作曲のフーガ(イ短調)です。有名な遁走曲のながれは、静かな遠くの民家まで響き渡りました。芸西村に私の観測所が移転できたのは、そのギターの女性のお兄さんの世話で実現したのです。


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