”イソゲナ”とは、昔から伝わる土佐弁ですが、私にも本当の意味はわかりません。良いものの反対を意味する方言であることは、わかっています。
 木の箱で出来た珍奇なこの望遠鏡で、誰が世界最初に彗星を発見すると思うでしょうか?しかし、実際には世界を揺るがすような大彗星がこのイソゲナ箱の中から飛び出したのです。そうです!1965年9月の「イケヤ・セキ彗星」がそれです。しかし実際にはその4年前の1961年に発見した「関彗星」が世間を驚かす主役だったのです。

 私の彗星発見は、11年やって、敗北した後の生活の中で突然にやってきました。いわば、無欲の発見です。「無欲恬淡、明鏡止水の心に星は映る」と言うことわざがありますが、正にその通りで、発見とは無縁の無欲の心に初めての彗星が映ったのです。
 初めて発見した彗星「Comet Seki 1961 T1」がそれです。明け方の太陽のそばに発見した”セキ彗星”はアッと言う間に我々地球に向かってイノシシの如く突進してきました。そして満月の大きさに輝き、南半球の空に消えて行ったのです。
 
 私にとって、この”イソゲナ”木の箱の望遠鏡と、明るい彗星との組み合わせが面白く、講演会の時なんか好んでお話して、喜んでもらっています。レンズの口径は8.5cm。倍率はわずか15xという、正に世界最小のコメットシーカーでした。


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