1985年12月、武家望遠鏡による、ハレー彗星の観測会で観た第二のコマは分裂核だろうという事になった。写真でも分かるように分裂核から強い尾が流れ出ていた。しかし第二核らしい物体はその後の観測で確認できなかった。”容堂公のコブ”は僅か1日余で消え去ったのである。

ハレー彗星の異変は、それだけではなかった。空けて1986年の3〜4月にはサソリ座の南まで南下したのであるが、突然、尾が見えなくなるというハプニングが生じた。これは太陽と、地球に対する位置関係もあったが、当時大きいニュースとして報道された。インドネシアのバリ島に追いかけて観測に行ったのは、その直後の事であった。尾は肉眼では確認できなかった。

1986年4月、ニューカレドニアで眺めるハレー彗星は、有名なオメガ星団のすぐそばに輝いていた。従来の細く長い尾は姿を消し、扇形の短い尾があった。肉眼で幽かに見える4等星であった。小さな赤道儀に100mm望遠レンズの付いた35㎜カメラを載せ撮影した。位置的には、南十字の輝く天の川の少し東側であった。

1986年のハレー彗星が、前人気の割にスケールが小さかったのは、たまたま地球から遠いコースを通ったためであろう。噂に聞く1910年のハレーは凄かった。しかし科学の進歩と共に、従来には考えられなかった、ロケットの突入等、遥かに進化した観測が行われたのは立派であったと思う。

(写真はオメガ星団の西側に輝くハレー彗星)

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