先に紹介した「龍馬の生まれたまち記念館」には「龍馬」を慕って、県外から多くの観光客が訪れる。記念館には常時専属の案内人が付いていて、希望者には上町の名所を案内する。
 まず、龍馬誕生の地の案内板の建っている、上町1丁目の屋敷跡を第一に、龍馬が少年時代に剣術の修行に通ったという築屋敷町の「日根野道場跡」。そして龍馬の旧家の「才谷屋」。更に龍馬の友人で若くして切腹したという「近藤長次郎」の屋敷跡。これらの名所は上町の狭い一角に集まっている。途中には「龍馬郵便局」もある。そしてその近くには「龍馬」の星を発見した「関物干し天文台」もあるのだが、流石案内人は、そこまで気がつかない。よくわたしの家の前を青い制服を着た案内人が、数人の県外客を連れて歩いているのを見かける。

 築屋敷には、このほか「丁場の跡」と言う大きな石碑が建っている。これは近くの鏡川が、台風の時氾濫して水害が起こったので、その分担の範囲を決めて、武士も町民も協力して復旧作業に当たったということである。昭和の時代に入っても度々大変な水害が起こったが、半世紀ほど前に堤防が出来て、水害は起こらなくなった。
 今から遠く、1948年11月に俗に”マックガン彗星”と呼ばれる明るいホウキボシが出て、この堤防の上でよく見えた。東南に見える筆山の上に、まるで虹の如く長い尾を曳いてみえたが、これは私の最初に遭遇した事件であった。早起きの人にしか見られない星と言う事で「牛乳配りの彗星」というニックネームもついた。このころ発行された東亜天文学会の機関紙「天界」に、京都大学の花山天文台が撮影した物凄い迫力の写真が裏表紙に出ている。

(堤防に立つ石の標識には”是ヨリ東、六ノ丁場”と彫ってある)
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