私の住んでいる高知市の上町は歴史的な伝統の街並みである。明治大正から栄えた白壁の酒屋や、道場、それに製紙工場が何軒かあった。上町1丁目の「竜馬郵便局」の前に大正時代から続いたと思われる古い門構えの家を発見した。それは竜馬が暗殺された京都の近江屋そっくりであった。その2階で同志の中岡慎太郎と密談しているとき、突然、数人の刺客に襲われた。
 犯人は、新選組の原田左之助かと、言われていたが、後で見回り組の佐々木只三郎や今井が、何かで捕まったとき、今井が「坂本を斬ったのは拙者だ」と白状したという。しかし今井らの証言と暗殺の現場の状況とは全く喰い違っていた」と言う。結局、坂本らは何者に襲われたのか? 今でもそれは謎になっている。  

 私の住んでいる上町は昔「通り町」と呼んでいた。明治初期の生まれの祖父は、その親が近くの銭湯で竜馬を見かけた話をしていたそうだが、本当かどうか。竜馬の生まれた上町にはのち「琴の湯」とか「竜馬の湯」とか言った銭湯が多くあったそうである。 
 私も1960年頃、家のすぐ前にあった「亀の湯」に京都大学の古川麒一郎さんと行った記憶がある。浴槽に漬かりながら天体軌道論についた話し合った。彼は高知県の幡多地区出身で、帰郷した時、途中の私の家に立ち寄って泊まっていってくれた。天体の軌道計算について教えて下さった恩人である。私が軌道計算で度々使った「距離変化の方法」は、彼から伝授したものであった。
 時は対数計算の時代であった。古川さんは手回しの計算機を利用して真数計算をやっていた。やがて高速の電子計算機を応用した最初の人であった。

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