日本時間で9月19日にメキシコで大地震が発生した。この日は52年前の同じ日「池谷・関彗星」を発見した日でもある。太陽を襲う「クロイツ属」の彗星が最も発見しやすい場所にやって来るのがこの9月であって、何か不気味な月である。

1965年の9月19日、日本列島は台風24号に襲われた。台風から遠い浜松の池谷さんは18日の朝、東北の空を捜索し、異常のないことを確かめた。問題の19日であるが、台風24号の眼は浜松地方をすっぽりと包んだ。その時、池谷さんは、まだ見ていない東南方向を捜索して、午前4時、発見した。うみへび座の、クロイツ属彗星の通るコースである。

一方、高知市では、19日の朝完全に晴れた。台風一過である。広角を誇る9cm19xのコメットシーカーの視野は、まず太陽に近い東北を捜索。本来ならそれで終了するところであるが、余った僅か10分間で東南の位置を捜索した。
そして4時10分、池谷さんと同じ天体をキャッチしたのである。広角というのは実にありがたい。なんと3.5度の視野を持っていたのである。

東京天文台へは、二人の発見電がほぼ同時に届いたが、もしこれが一人の発見なら、翌日の確認観測を待ったと思う。二人の発見であることに広瀬台長は信憑性を置き、直ちに、この発見をスミソニアンのセンターに打電したのである。しかし翌日から一週間ほど悪天が続いたので、もし同時発見でなかったら、外国の発見になっていた可能性が高い。正に奇跡の同時発見であった。

発見から数日後に、いきなりAP電が、驚くべきニュースを世界に発信した。
”今世紀最大か 池谷・関彗星 長く明るい尾”(高知新聞)。

(一体、なぜ??)軌道はまだ十分に計算されていないはずである。10月21日の、
太陽大接近に向かって、にわかにマスコミの関心が高くなった。

(1965年10月27日、白昼見えたイケヤ・セキ彗星)
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