1948年、終戦直後の荒廃した時代に、ラジオ歌謡で、岡本敦夫さんのうたった「白い花の咲くころ」が大ヒットした。私はその頃まだ高校生で、クラシックギターを始めたばかりであった。
 それから何年かたって独りで「梶ヶ森」と言う高山に登った。途中のちょっとした水場に、名も知らない白い美しい花が咲いていた。その時「もし彗星を発見するようなことがあったら、もう一度この山に登って、この美しい白い花と再会しよう」と思った。それから苦闘が続いた。
 10年経ったが、新しい彗星の発見は無かった。三嶺と言う高山に登って、再び白い花と面会した。いつかは、本物の彗星と出遭えるものと信じていた。その長い忍耐の結果が1961年10月の彗星発見につながった。
 彗星の発見は、最初が最も大切なように思う。一回でも発見の経験をふめば、あとは案外と進展して行くものである。

写真は自宅の庭に咲いた白いバラの花。


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