関彗星(1961T1)は、高知市での発見の翌日、倉敷市の本田実氏によって確認されました。よって”Comet Seki"としてコペンハーゲン天文台に通達されたのですが、高知市での発見位置と、翌日の倉敷市での確認位置が同じで、彗星は全く移動していないように思われました。そしたら、正体は彗星ではなく、獅子座に多く散在する星雲(銀河)の類だったのでしょうか?

いや、絶対にそんなはずはありません。普段見慣れた場所です。百戦練磨のコ
メットシーカーは、星座に穴があくほど見て来た場所です。彗星の如き太陽系の天体は移動します。遠くにある星団や銀河は移動しません。これは絶対に彗星
に間違いありません。
 そしてその翌日、期待と不安の互いに錯綜する心を持って、私はレンズを向けたのです。ああ、そこには、驚くべき結果が待っていました!

(写真は、発見から一週間後の関彗星)

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