冬は大気が澄んで景色が澄明である。思わぬ落日の絶景に遭遇することがある。鏡川の橋をわたっているとき美しい落日を見た。ここは太平洋戦の終結寸前に、B-29の爆撃から逃れた河原だった。沢山の市民が火災からのがれてこの川に集結した。川も焼夷弾の油脂で一面に燃えていた。突然火のついたB-29が降ってきた。すべてが地獄絵だった。

 やがて終戦となり、廃墟の町の空に、無類の美しい星空が輝いた。人口18万の、繁華な街に住んでいたが、当時の星空は無類に美しく、いまの芸西の空よりも暗かった。夜半にはナゾの光芒、「対日照」もアリアリと見えた。
 そんな美しい星空で、彗星や小惑星をさがしたい、、、、、。これは星を愛する人の共通した永遠の夢である。
 久しぶりに見る河原の風景が、ふと昔の出来事を思い出させてくれた。

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