天文の会のあった福島市の会場では、私に関連する本やメダル等が展示された。主催者が集めてきたそうであるが、その数の多さに、今さらのように驚いた。最初の、1966年の「未知の星を求めて」は鮮烈に覚えているが、中にはすっかり忘れていた本もある。「星空の狩人」の様に、今でも中学の道徳の教科書やJAXAのそれに引用されている本もあれば、今では絶対に入手できない本もある。

例えば1970年に「あかね書房」が出した子供向きの「星のかりゅうど」である。足摺岬の燈台のある断崖の下に、前人未踏の洞窟がある。海賊どもの宝の隠し場所ともなった底知れぬ洞穴であるが、昭和のある日、地元の若者が探険し、洞窟の中から「クロイツ族」の彗星の描かれた海図の一部を発見し、物語が進展していくのである。「イケヤ・セキ彗星」の祖先である。

私自身が最も気に入っている本であるが、残念ながら私の手元にもない。おそらくネットでも入手困難であろう。また、国立天文台長を務めた、広瀬秀雄博士と共著の「彗星とその観測」は精魂こめて書いた専門書であるが、今ではあの頃の彗星に向かった闘志が懐かしい。

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