南シナ海を漂流しはじめたダイヤの指輪は、黒潮の流れによって北上し、ある孤島に打ちあげられました。しかし、何年か経って地震による津波によって再び海の中をさまよう運命となり、ついに数十年の歳月を経て、黒潮がもっとも早く到達する高知県西部の海岸にたどり着いたのです。故郷を慕う武雄の魂がそうさせたのかも知れません。
武雄の妻、美恵子はある日姉(武雄の兄弟)を伴って町の漂流物展示会場にやってきました。そして特別に展示されてあるダイヤの指輪を発見しました。海をさまよい、半世紀の歳月を経て変わり果てた姿に、かつて武雄から贈られた指輪であることに気づくはずはありませんでした。しかし武雄の魂は、やっと故郷の海にたどり着いて妻と会えたのです。ダイヤモンドの輝きは、異様に恵美子の心を捉えました。
「どうしたんでしょうね、この指輪?」と美恵子。「どうせ結婚に失敗した誰かが海にでも投げ捨てたものでしょう」と、姉が語りました。そんな会話を交わしながら、二人は会場をあとにしました。
大方町の入野の海岸は今日も美しく晴れ上がり、何事も無かったかのように、若者が沖で波乗りを楽しんでいました。
(写真は南半球の空に輝く天の川の中の”宝石箱”)
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武雄の妻、美恵子はある日姉(武雄の兄弟)を伴って町の漂流物展示会場にやってきました。そして特別に展示されてあるダイヤの指輪を発見しました。海をさまよい、半世紀の歳月を経て変わり果てた姿に、かつて武雄から贈られた指輪であることに気づくはずはありませんでした。しかし武雄の魂は、やっと故郷の海にたどり着いて妻と会えたのです。ダイヤモンドの輝きは、異様に恵美子の心を捉えました。
「どうしたんでしょうね、この指輪?」と美恵子。「どうせ結婚に失敗した誰かが海にでも投げ捨てたものでしょう」と、姉が語りました。そんな会話を交わしながら、二人は会場をあとにしました。
大方町の入野の海岸は今日も美しく晴れ上がり、何事も無かったかのように、若者が沖で波乗りを楽しんでいました。
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