1961年当時の「物干し観測台」を再現してみました。数年前の、高知市科学図書館での天文講演会は、この上に立って話しました。そう、野良猫のやってきていた観測台です。1965年の”池谷・関彗星”接近の時には、沢山の報道関係者が、左側の母屋の屋根に上がって、突如崩れました。

 四角い筒の望遠鏡は光径88mmの屈折式のコメットシーカーです。これで新しい彗星を発見するんだ、という夢を持って自作しました。一般にテレビは普及しておらず、携帯もスマホもない時代で他に集中するものもなく、一心に新しい彗星を発見する事ばかり考えました。まだ20歳代の良き時代でした。

 いま県立の「芸西天文学習館」では、夏に望遠鏡を作る講座があります。設計図の付いた、きちんとした組み立てキットです。おまけに指導員もついて助けてくれます。私の時代には、そのような便利なものはなく、廃物の老眼鏡の玉と虫メガネを組み合わせての実験です。失敗を重ねても「これで新天体を発見するんだ!」という大きな夢がありました。芸西天文学習館では、単に星を眺めて楽しむだけではなく、そうして夢を持った子供たちの育成に努めているのです。

img135


にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村