私の家は大正年代から犬を飼っていました。私は知らないのですが、家が製紙業工場を始め大正年代には黒い「エス」という犬を飼っていました。祖父が外へ出かける時には、その様子から杖をくわえて運んで来たと言っていました。若いころの母が、抱っこしている写真が残っています。

 昭和に入ってから飼っていた「シロ」は、夜中に食堂での火災に気づいて、盛んに吠えまくって家族に報せた、と言います。いずれも、もらったり、拾ったりした雑種の平凡な犬だったのですが、飼い主の為に随分貢献しました。

 最後に飼った犬は血統書付きの「柴犬」でしたが、10年以上飼った後に、突然行方不明になりました。名は「タロ」といいます。2018年が訪れ”戌年”だった関係でふと、長い間飼っていた「タロ」のことを思い出していました。川原を駈け廻っていた姿が思いだされます。夏には川に飛び込んで泳ぎました。

 不思議な事件が起こりました。先日、市内の写真材料店を訪ねると、ショーウインドウに置いてある額の見本に、柴犬の写真が使われていました。良く見ると、それは紛れもなく飼い犬の「タロ」でした。失踪してから10年余、私の祈りが通じたのか、額で姿を見せてくれたのです。撮影された場所は、家に近い鏡川の原っぱの様です。


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