シリウスに次いで全天で二番目に明るいカノープスを見るチャンスがやってきた。カノープスは、中国では″老人星”と呼ばれ、一度見ると長生きできるという伝説がある。南天の”りゅうこつ座”の一等星で青い。

 カノープスを見るのは1月から2月がチャンスである。このころ大犬座のシリウスが南中しているので、真南のシリウスの巨光を目標に、視線を下に降ろして行くと、水平線の近くにカノープスを発見できる。ただし良く晴れていることと、南の水平線が見えることが条件である。

 私が初めてカノープスを見たのは1965年10月「イケヤ・セキ彗星」を追いかけて高知県、須崎市の「バンダの森」に登ったときであった。シリウスではないか?と思うほどに星は高く明るく青かった。その後、観測所が芸西村に移転したので、時期が来ればいつでも南の洋上に見える。因みにカノープスに次いで三番目に明るい恒星は、七夕星で有名な夏の織女星である。

 須崎市のバンダの森(標高800m)は、南天の星を高く明るく見せる魔法の山である。1967年冬、天文冒険家の「池ノ幸一」さんは、この山上で「南十字星」を見た。写真は当時の「高知新聞」に大きく報じられた。

 (写真上:芸西で見るカノープス。国道のすぐ上の小さな木立の中に短い光線を引いている。写真下は1986年、バリ島で見た右にシリウスと、左にカノープス。いずれも椰子の葉の間に巨光が)

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