ここでいう「銀河」というのは系外星雲のことである。彗星の捜索を行っていると、沢山の銀河に出あう。一見して素人には彗星との見分けがつかない。彗星も星雲も朦朧として同じに見える。

 フランスのメシエは、これらを彗星と区別するためにカタログを作った。これが所謂メシエ目録である。メシエは口径50mm位の小さな望遠鏡で観測したので、あまり暗い星雲は見なかった。

 写真は、芸西の旧60cmで撮影した”しし座”付近の銀河群である。左側にM65(下)とM66(上)。右にメシエの見なかったNGC 3624である。共に10等内外の明るさである。

 この写真を撮ったのは旧、五藤光学の60cm反射望遠鏡である。沢山の彗星を観測し小惑星を発見した。視野が明るく広かったのだ。今の70cmは、視野がこれの10分の1程度の狭さで、しかも暗い。惑星なんかの有名天体を一般に見せるだけで新天体のパトロールには向いていないのである。

 1980年。五藤斎三さんと私とで話し合って誕生した天文台の構想は、その後完全には受け継がれなかったのである。しかし発見した小惑星の中には五藤氏夫妻の名前も存在し、五藤光学の名は宇宙でも不滅のものとなった。

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