天体望遠鏡を自作することは長年のアマチュア天文家の夢でした。老眼鏡の玉や虫眼鏡を組合わせて出来た天体望遠鏡で、土星の環を見た瞬間には思わず歓声を挙げたものです。そして、その観測が昂じて彗星でも発見したら、その名は世界に輝きます。

 基本的には20世紀最大の彗星と言われた「イケヤ-セキ彗星」は、廃物利用の手作り望遠鏡の延長でした。池谷さんはレンズ(反射鏡)まで自分で磨きました。こうした望遠鏡の自作で一番大きなものが、口径40cmの反射望遠鏡でした。

 この40cm鏡は、新発見こそありませんが、多くの彗星の位置観測や、周期彗星の検出に貢献しました。写真は1980年に”みずかめ座”の薔薇星雲を撮影したものですが、20分間の露出で沢山の微光星を見事に映し出しています。感材はアメリカ・コダック社の(103a-E)という天体専用のガラス乾板を使用したもので、平面性は抜群で相反不軌も少なく、今のCCD撮影に匹敵するものです。

 それにしても、この反射鏡は見事なパラボラで一体誰が研磨したのでしょうか?覆面の人物は、あとで登場するかもしれません。この自作の40cm反射望遠鏡は芸西に五藤光学の60cmが完成してから、暫く姿をかくしていましたが、ある日、天文台の裏庭で犬が「ワンワン」と鳴くので、大庭講師が掘ってみると、なんと40cmの鏡筒が出てきました。今この筒は昔の功績を語る資料として、天文台に保存されています。

(1970~1980年に活躍した40cmの自作反射望遠鏡。下は40cm鏡による作品)
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