今回はドイツのツアイス社が製作した世にも奇妙なコメットシーカー(彗星捜索望遠鏡)について、お話します。写真はツアイス社のカタログに出た口径20cmの彗星捜索儀です。

 彗星を眼視的に探すという作業は18世紀ごろから20世紀にかけて、世界的に流行しました。しかし全天を探すという作業は過酷を極め、多くのコメットハンターたちは、できるだけ楽に捜索できるスタイルを考案しました。

 ツアイス製のコメットシーカーは、椅子に座ったまま方位と高度との二つのハンドルを操作することによって、観測者は、ほとんど、眼の位置を変えずにしかも全天が見えるというもので、倍率も27倍から130倍までレボルバーによって自由に変換が可能でした。

 彗星を発見した場合に一番困るのは、天体の位置(赤経・赤緯)が分かりにくいことです。ツアイスの望遠鏡は赤道儀式になっており、度盛環を読み取ることによって、天体の位置が簡単に知れたのです。正に至れり尽くせりの設計です。このような器械が実は昔の東京天文台にあったのです。

 一体誰が使用したのでしょう。東京天文台が麻布から、今の三鷹に移転した時、ドイツから65cmの屈折望遠鏡を仕入れました。その時同時に輸入されたのが、このコメットシーカーだったのです。しかし、東京天文台には彗星を捜索する人はいませんでした。これはミステリーであり、大きな謎だったのです。

 ところが記録を調べて行くうちに、意外な事実が判明しました。戦前の東京天文台に、これを使って彗星を発見した人がいたのです。(それは一体誰?)

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