戦時中、徳島県の空港から出た「白菊特攻隊」の資料展が徳島県の阿波市の開場で開かれていることを知り、一家で見学に出かけた。

 会場は阿波市の役場の中にあり、特攻隊員の沢山の資料を集めて、世話人の大森順治さんが、熱心に説明していた。なんでも「白菊」とは徳島の海軍飛行場にあった飛行隊員の練習機で、敗戦間際には、飛行機が足りず、練習機まで、特攻の為、九州の基地から発進したという。

 250キロの重い爆弾を抱えた特攻機は、片道燃料で沖縄の戦線に向かって発進した。暫くは、海面すれすれに飛んで、見送る整備兵たちをハラハラさせたという。しかし実際には、目的地まで行けず、途中で燃料が切れたり、故障を起こして墜落した。前に述べた私の先輩の”愛ちゃん”も、同じような運命をたどったわけだ。

 大森さんは高知県に関する特攻隊員の名簿を送って下さった。高知県には南国市の海軍飛行場(今の龍馬空港)の他に、高知市の仁井田と、西の窪川町の海岸に飛行場があって訓練をやっていたことを初めて知った。私が中2の学生のころ、学徒動員で南国市の海軍飛行場に泊まり込みで作業に行った。滑走路の延長の工事で、ここでは多く複葉の練習機(赤とんぼ)が沢山飛行訓練をやっていた。無論特攻機として多く飛び立ったが、その多くがグラマン艦載機の襲撃にあって撃墜された。

 白菊特攻隊員の遺品の中に、手帳に挟まれた若い女性の写真が出てきた。私の先輩の”愛ちゃん”は出撃の時、機上から、見送る女子挺身隊の一人に手旗信号で愛の言葉を初めて送った。多くの旗の波に見送られながら安心して飛び立った。悲愴な中にもホッとした情景があったのである。特攻隊員にも多くのロマンがあった。

(写真は展覧会場で説明する「白菊特攻隊を語り継ぐ会」の大森さん)
IMG_0288



にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ
にほんブログ村