夏が近づいた梅雨入り前の空ですが、夕方から南に木星が爛々と輝き、そして白い夏の天の川が光の滝の如く東南の空に見えて来ます。この天の川の中の”いて座”を、今”パンスターズ彗星”が南下中で、6月下旬まで日本から見えます。「コメットハンター関勉のホームページ」の”芸西天文台通信”に、写真と記事を出しましたのでご覧ください。

 いて座には多くの散光星雲が見えますが、ここに紹介したM-18は双眼鏡的な明るさで素晴らしい光景です。10年程前に引退した口径60cmの反射望遠鏡で撮影した姿です。今の70cmでは全体がとても入りませんが、60cmは視野が広く明るかったので壮麗で、沢山の小惑星も発見する事ができました。

 彗星の捜索をやっていて楽しいのは、このような様々な形をして星雲や遠くの銀河に出逢えることです。心の憂さや、すべてを忘れて星空に熱中し、おまけに、もし本物の彗星を発見できたとしたら、こんな素敵な作業はありません。そして、世界中の多くの天文家と友人になれるのです。

 1965年10月。”イケヤ・セキ彗星”が輝いたとき、その姿をじっと眺めていたキューバの青年がいました。やがて青年はプロの作曲家となって、楽団と共に日本にもやってきました。そして2010年頃、ハバナ市の音楽堂で彼が作曲した「イケヤ・セキ彗星の曲」が演奏されました。彼は白昼、太陽のそばを飛ぶ彗星の逞しい姿を音で表現したのです。
 彗星の発見はその陰で、思いもよらぬエピソードを生むものです。

(写真は60cm反射望遠鏡で撮影した射手座の散光星雲M-18)
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